蜘蛛

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確か俺は新しく広まった薬物の売人を追っていたはずだ。 それは紙に染み込んでいて、舐めると一気に多幸感に包まれて、死ぬ。 「あん‥、あ‥!やだぁ……あっそこぉ‥」 「気持ちいいの?亘チャン」 希望者は現金書留で送金し、外務省が渡航禁止にしている国からそれは送られてくる。 4,50代のひきこもりに大人気だった。 「あー‥、俺イッたわ。変わる?」 「次は俺~」 位置が変わって俺はまだ足を開いたまま男を受け入れなければならないようだ。 さっきの男より乱暴に揺らされる。 「‥あ!…やぁ…はげしい…よお!」 「はは、淫乱だなあ刑事さん」 俺は確か神山佑という男を追跡していたはずだった。 クルマで拉致されて、そこから記憶が曖昧だ。 「こいつには瓶ごと飲ませたから即死だと思ったけど、案外いい仕上がりになったじゃないか」 「あ、トンだわこっち」 ソファのほうは終わったのか、静かになる。 「すぐ戻ってくるよ」 先生が言う通り意識が戻ったようだった。 「まあこれで完全に自我は無くなっただろうけど」 かすかに見える青年の顔に感情はなかった。 「…もっと突いてぇ…やめ‥、ない‥で」 先生は持っていたボールペンで青年の乳首をつついた。 「あん…」 「いい感じ」 俺も似たようなもんだ。
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