蜘蛛

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「あなたは誰ですか?」 俺の頭をふとももに乗せて神山佑が尋ねる。 「俺‥、は…にのみ…ああ!‥、やん!」 「あなたはオモチャです」 「違うっ‥俺は…‥んぐっ」 神山は俺の口に紙を突っ込んだ。 薬物特有の匂いがして、だんだん意識が朦朧としてくる。 痛かった穴も、今は快感を生み出す器官に成り下がった。 「あなたは誰ですか?」 「んっ・・、ふ」 「ああ、これでは答えれないですね」 俺の口から紙が取り上げられる。 「あなたは誰ですか?」 俺の乱れた髪を梳いて同じ質問をする。 「‥‥お‥れは‥‥、あぁ‥‥ぁ‥」 「あなたはオモチャです」 何度も何度も同じ質問。 余計に思考がゆるくなる。
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