蜘蛛

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名前はどんどん変わって今は「シリー」と呼ばれる謎の薬。 それが俺の体内にまわってきた時、何もしていないのに多幸感に包まれて幸せな気分になった。 どこかの部屋に連れていかれてずっとベッドの上で輪姦されている。 それがこの上なく幸せで気持ちいい。 「先生もまざる?このオモチャけっこういいよ」 「私はいいよ。データだけ欲しいけど」 オモチャと何回も呟く俺はどうやら実験台もかねているらしい。 「やだぁ‥!‥やめるのやだっ、もっと突いて…‥!」 少しでも刺激が止まると狂ったように求める俺。 俺なのか? 「少しは暗示にかかった?」 「全然効かないけど、ラリってはいる」 ふう、とわざとらしいため息をついて 「あなたは誰?」 先生は優しく俺に問いかける。 「おれ‥は、オモチャ…‥」 「まあまあ効いてるじゃない。記憶が無くなれば最高だね」 俺の中に精液を吐き出した男が荒い息で放れる。 開いたままの穴からドロっと白い液体が流れ出てきた。 死体発見現場と同じ臭い。 何のことだっただろうか。 腕に注射針が刺さる。 「‥ぁぁ」 「採血だよ。何を期待してるの」 先生は苦笑いしていたが、俺で何を実験しているのだろう。
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