商談

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ここまで運んでくれた人と同じ匂いがする部屋。 力が抜けて自分で歩くこともできない俺をベッドに寝かせて枕元でいろいろ聞いてくるが、頭が回らない。 「オモチャ…」 わかるのはそれだけだ。 「…わたる…さん」 香川さんだったか、なぜか俺の横で泣いている。 「これは罰ですか。俺が違法な金儲けしている…。その罰ですか」 誰に問うているのかわからないが、疲れた体が眠気を誘う。 「今はゆっくり寝てください」 「遊んで…、オモチャだから気持ちよくなりたい」 今日は何もなくて、俺の体は欲求不満になっていた。 必要以上に性欲を高められた俺は終始快楽だけを求めてしまう。 「時間がたてば薬も抜けると思いますから、少し眠ってください」 それが嘘だということはわかった。 一度脳をいじったら元には戻らない。 難しいことを考え出すと頭がぼんやりする。そういう作用もあるのだろうか。 目を閉じていた俺に、躊躇しながらキスをして香川は俺から離れた。
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