商談

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錠剤でも粉でもない。 紙に薬効を染み込ませた謎の薬物。 ネット上に住所が載って一気に拡散された。英語で住所が書ければ数カ月後に届く。 一回の使用で天国を味わってほぼ死亡する。そんな事を知らない人が興味半分で買っていた。それが伝わってだんだん楽に死にたい人に人気が出てきた。 捜査中に主犯格の神山佑にクルマで拉致されて致死量分を飲まされて死にはしなかったが代わりに輪姦される日々。 俺は俺でなくなりそうだった。 「もうダメえ…、ちょうだい‥、いっぱい突っ込んでかきまわして…」 「あなたはニノミヤワタルです」 「ちが‥オモチ…‥」 俺は気持ちよくなりたくて必死に懇願した。 上にのしかかっている人が神山に見える。 「ご褒美がないとわからないんですか?」 「…‥?」 一瞬意味がわからなかった。 「そうやって媚を売って抱かれてたんですか?」 上の男はジッパーをおろして直接俺を握りしめた。 「…っは…」 揉みしだく動きにおねだりするように腰が揺れる。 「…ああ…、それ、気持ちいい…‥」 目を閉じてむさぼるように刺激を求める俺は、香川の目が獰猛な獣の瞳に変わったことに気が付かなかった。 気づいていたとしても、そんな事はどうでもよかった。 「あなたの名前は?」 「‥オモチャ‥、あぁ!‥‥」 ぐっと力強く握られて射精してしまうが、すぐに勃起して無意識に腰をくねらす。 頭が混乱した。 自分が誰なのかわからない。
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