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「ねぇ優來ちゃん、この後って時間あったりする?」
時刻は丁度昼を回ったところ。
「空いてるよ?」
「じゃあ、これからランチ行かない?」
「えっ!良いよ、行こ!」
私は明日香と一緒に駅前にある『喫茶general』と言うお店に入った。
このお店は、良く父が連れて来てくれたお店でマスターとも顔馴染み。
「いらっしゃいお嬢様」
「やめて下さいマスター、優來でお願いします!」
「畏まりました、優來さん」
明日香がポカンとして突っ立っているので、私は彼女を引っ張りいつもの席に座った。
「ねぇお嬢様ってなに? 優來ちゃん」
「それは聞かないで!」
「え〜気になるじゃん!」
「教えません! それより早く決めてよね!」
「はーい」
私は休みの日はいつも『喫茶general』でマスターおすすめの紅茶と様々な野菜が入ったサンドイッチを食べるのが日課になっている。
なので、私は注文する時は「いつもの」って言って注文する。
これが長くここに通ってきた私の特権なのだ!
「優來ちゃんはもう決まってるの?」
「うん、私はとっくに」
「え〜迷っちゃうな〜こんな沢山メニューがあると」
「じゃあ、私のと同じにする?」
「うん、そうする!」
「マスター、いつもの! あとこの子にも同じ物をお願い!」
「畏まりました」
この時間の割に店内はバラバラと人が居るくらいで、多い訳では無い。
それはこのお店は名前の通り、基本的にお金持ちの人やお偉いさんが使うお店の為価格がやたらと高い。
学生の私達がいるのが逆に不自然なくらいなのだけど。
「そう言えば、メニューに料金書いてなかったけどいくらなの?」
「ん?それはねぇ秘密!」
明日香と他愛もない話で盛り上がっていると、注文していた物が運ばれてきた。
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