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『聖鳳凰女学園』は、警察総庁が運営管理する女学園で、都内でも有名なお嬢様学校なのである。
そんな鳳女に私が在学しているのは、私の現在の父である警察総庁総官長の愼 東眞、そしてその部下であり私の母の愼 彩芽。
これが私の現在の両親になる、つまりは養子。
私がちょうど7歳になる時に養子になる事が決まった、いや寧ろそう仕組まれた様にも感じることがあるくらいに。
私にとっての両親は、敦也と優。
私は目の前で家族を皆殺しにされていたので、はっきり言って現在の両親に過度な期待をされても何とも思わなかった。
寧ろ逆に、私は両親にとって優秀な娘として良い子な娘として演じ続けた。
その結果がこの鳳女であると思っている。
ちなみにあの悲惨な事件以来、政府は新たな法案を出し制定した。
認められた者だけが所持を許されると言う簡単なルールみたいなものだった。
厳密に言えば、大昔に戻ったに過ぎないのだけど。
結局あの憲法は、廃止に近い扱いと今はなっているに等しい。
だけど結局は、銃の国内使用を認めた時点で国内での銃の流通は現在でも普及され続けている。
そして、私も銃を持つ事を許される者の1人でもある。
「あっ! 優來! おはよー!」
「由美さん、おはようございます」
学園の外ではこんな感じで、お嬢様言葉を使わないと言いたい所だけど流石に父が警察総庁総官長である事を知っている学園の皆の前でそんな事をしたら後で間違いなく怒られる。
ちなみに母がここの学園長をしている。
創設以来、この学園は常に国のトップクラスの人間の娘達が通っていて将来を約束された者ばかりが集っている。
その為、1クラスの人数が20人とかなり少ない。
ついでに言うと私はこの学園の一様、生徒会長を務めている。
ここまで優秀過ぎると敵対勢力が複数組存在するのが厄介なことなのだけど。
「あら、とても優秀な生徒会長様じゃないですか」
噂をすればこんな嫌味たっぷりに私を呼ぶのは、私と生徒会長候補で惜しくも2票差で負けた須藤 光奈、須藤財閥の一人娘でジェットボードを手掛けた大手大企業の娘。
俗に言う所の本物のお嬢様である。
私的には興味が無い、私が今興味があるのは家族を皆殺しにした犯人だけ。
「おはようございます、須藤さん」
そもそも相手をする気がないので、挨拶だけしてその場から逃げる。
で、大体逃げた先にもう1人面倒な人が。
「あらあら、愼 優來さんじゃないですか、ご機嫌よう」
「鬼灯 茜さん、ご機嫌よう」
この人も中々の面倒な人でやたらと私のオッドアイの赤い瞳を見せろと噛み付いてくる厄介な人。
ちなみに彼女は、この聖鳳凰女学園の建設を行った鬼灯建設のご令嬢。
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