羊の毛

2/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 朝になり、国の王は家来を連れて二人にこう言った。  「お前は五十里も遠くから来ているのに、どうしてこれっぽっちしか毛が刈れないのかね」とジプシーに。  ジャックには「私が寝るために刈った毛で、どうしてお前が寝ているのかね」と言った。  ジプシーはジャックに、「どうして俺が刈った毛で寝るのかね」  ジャックはジプシーに、「どうして少ししか毛を刈れないのか。  どうして羊を簡単に集められないのかね」と言った。  ジャックには家もなく、夜は牧場の外で眠った。  ジプシーはまた、五十里離れた牧場まで通った。  二人は死ぬまで牧場で働き、ジプシーは犬を飼って羊を簡単に集められるようになった。  ジャックはジプシーより、羊の毛を多く刈れる事は一生無かった。     《おしまい》    
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!