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決戦当日。
空は雲ひとつない快晴。
パンパン、と花火が乾いた音を立てる。
古代ローマのコロッセオのような円形闘技場のまわりを観客が埋めつくしている。
「さあ! 花菱魔術大会もいよいよ決勝戦となりました!!学生服に袖を通した二人の選手が頂点を賭けて今激突しようとしてきます!!!!」
「赤コーナー!! 不世出の天才美少女! その小柄に見合わぬ大太刀は飾りではない! 水面ナミ選手だァーー!!!!」
派手な演出とともに少女が姿を現す。
「青コーナー!! 今大会のダークホース! 小太刀を操る巌の肉体は全ての敵を倒してきた! 大空カナタ選手!!!!」
同じく
大太刀を佩いた少女。
小太刀を携えた筋肉隆々の大男。
その姿は対照的だが、奇しくも、その装備と肉体のアンバランスさは似通っていた。
円形闘技場の熱狂の中、二人の間にだけ静寂が訪れた。
男は堂々と宣言した。
「試合が始まる前に言っておくぞ。勝つのは俺だ」
対して女は呆れたように、
「昨日はよく眠れたのか? 寝言が口から漏れているぞ」
と挑発する。
対して男はフッと不敵に笑う。
「ぬかせ」
試合場の空気が一変する。
満ちるは殺気。
目に映るは倒すべき互いの姿のみ。
「試合開始!!!!」
審判の掛け声が試合開始のゴングとなった。
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