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「折角会ったんだ、メルアド交換しようぜ」
そう言うと僕の返事も聞かずにスマホを出して僕に向けた。
そこまでされて嫌だとも言えない。
僕は仕方なくスマホを彼の出したスマホに翳す。
メルアドの交換をしてから残ったランチを食べ終えた。
「早速だけどさ、来週の週末暇?
高校で同じクラスだった田中覚えてるだろう?
田中恵梨香、あいつこの近くの女子大なんだ。
この間駅前のマックで偶然会ってさ、合コンしようって話になったんだけど、良かったら錺も来ないか?
まあ田中の紹介だから只の飲み会みたいなもんだろうけど」
田中恵梨香・・
同じクラスとは言っても話した事はなかった。
どちらかと言うと地味目なおとなしい印象の女子だったし、彼女も勉強はできた。
受験で必死で授業が終ると直ぐに塾に通っていた僕には接点すらない。
「悪い、週末は親戚の集まりが有って親と田舎に帰るんだ」
そう答えて、ホットしている自分に気付く。
「そうかぁ残念。
まあ良いや・・
また誘うから、その時は断るなよ」
そう言われしかたなく愛想笑いをする。
(本当は今週末だけど・・
田舎に行くのは本当だ)
そう思った。
昼休みが終わる。
じゃまたなと手を挙げた島原と別れ教室に戻る。
満腹と気疲れで眠気の差す頭をどうにか働かせて授業を終えた。
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