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私は東京生まれ東京育ちの大学2年生なのだが、
大学の夏休みに合わせて、両親と3人で長野県にある祖母の家に行く途中。
たかくんからフラれたことで相当落ち込んでいて、楽しい夏休みに入っても何も意欲が湧かなかった。
部屋から出ることもできなかったために、半年ほど続けているアルバイトにも行けておらず、ほぼ休職中の状況だ。
大学の友達やアルバイト先の人から心配するラインを貰ったものの、誰とも会いたくなかったのだ。
大学の友達の奈央は家にも来てくれたが、丁重に帰ってもらったほど。
その姿に心を痛めたのであろう両親が、久しぶりに祖母の家がある長野に行こうと提案し、無理やり私を連れてきたのだ。
私自身、勉強や部活、アルバイトがあってなかなか祖母の家には来れておらず、8年ぶりだ。
この地には思い出がたくさんある。
小学校の頃は長期休みのたびに祖母の家に遊びに来ては、
近所の同じ年代の子たちと森に入っては木に登ったり、虫を捕まえたりして過ごした。
・・・なによりも”あの子”がそばにいてくれた。
会えるだけで胸がいっぱいになるような純粋に誰かを想うだけの頃が懐かしい。
年齢を重ねると、求めるものも求められることも増えて苦しくなる一方だ。
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