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「──!」
ずきん、と大きく胸が痛んだ。
遼と、ずっと一緒に──?
遼は優しく微笑んでうなずいた。
私は思わず一歩踏み出す。
遼は知っていたのだろうか。
私がずっと、遼のことが好きだったことを。
初めて遼のフルートを聴いたときからずっと。
私はフルートに魅せられたわけじゃなかった。
私を魅了したのは、遼だ。
「遼……っ!」
あと少しでこの手が届く。
遼の腕の中に飛び込める。
その時、視界の端で何かがきらりと光った。
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