8人が本棚に入れています
本棚に追加
恐る恐る目を開ける。と、そこに遼の姿はなかった。
「──遼!」
さっきまで遼が立っていた場所に駆け寄る。
けれどもう、そこには誰もいない。
私は思わず座り込んだ。
「遼……っ」
どんなに呼んでも遼が帰ってこないことはわかっていた。
でも呼ばすにはいられなかった。
と、タイルの上に何かが落ちているのが目に入る。
銀色の物体だ。
さっき飛んできたものに違いない。
やっと再会できた遼と私を再び引き離した──…。
(え……これって……)
最初のコメントを投稿しよう!