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4月13日
その日から、私は色々なもので実験をした。金目のものではなくても同じようになくなって戻ってくる。名刺や紙屑でも同じだったから、泥棒ではないだろう。戻ってきたときはぴったり同じ場所に置かれてる。リンゴやバナナのような果物でも同じだった。ペットボトルのミネラルウォーターでも、ガラスのコップに入れた水でも。1週間ほどいろいろ試してみたが、破壊されたり傷んだりすることなく、ちゃんと戻ってきた。
そこで、私は妻が不在の時にエドガーで試してみた。エドガーはリンダが飼っている黒猫である。たっぷりと餌を与えて、獣医に連れて行くときのキャリーバッグに入れて金庫に入れた。ニャーニャー鳴いていたが、ドアを閉めるとそれも聞こえなくなった。スマホのカメラで確認する。バッグがごそごそと動いている。
そして、画面がブラックアウトした。私は不安になった。可愛がっているエドガーに何かあったら、彼女は悲しみのあまり狂ってしまうかもしれない。
4月14日
金庫を開ける。キャリーバッグとカメラはなかった。泣き叫ぶリンダが心に浮かんだ。
4月15日
スマホの黒い画面が突然もどり、猫のバッグはごそごそと動いていた。急いで金庫を開け、バッグを取り出す。エドガーは無事だった。お腹を空かした猫はペロリと餌を食べると、書斎を出てどこかに行ってしまった。ちょうどリンダが戻ってきたが、気づかれることはなかった。
エドガーはどこに行っていたのだろう?何を見たのだろう?
私の中で、そこに行ってみたい、見てみたいという欲求が芽生えてきた。そして、その欲求はどんどん膨れ上がり、いつしか抑えられなくなっていた。
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