0人が本棚に入れています
本棚に追加
ごろざえもん
ごろごろごろざえもん
いたずらぎつねのごろざえもん
おおきなぬまの
はやしのおくにすんでいる
おおきなぬまのはずれには
くらくてふかいふちがあり
こいぬこねこもすてられて
ねこどんぶちとよばれてた。
「たすけて!たすけて!」
「あったま、いまたすけるぞ!」
「いったいどうしたの」
「ごんすけにひどいことをされて、ぬまにすてられたんだ」
「あぁよっぱりちやったぜ。うぃいいきもちだ」
「きたぞ、よしこれからおかみさんにばけてだましてやる」
「おまえさん、いつもよっぱらって、きょういうきょうは、ゆるさないぞ」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「このすりこぎで、じゅかいたたいてやる、がまんしなさい」
「あーいてえー」
「かんじさいぼさつ……」
「おしょうさん」
「にょうぼうにしかられたようだな。おまえにはふかいつみとごうがある」
「はい、どうすればいいのでしょうか」
「ここに、ありがたいおんせんがある、ここにつかり、みをきよめるのだ」
「はい」
「ああ、きもちがいい、おやなんだかもぞもぞするぞ。なにかくさいぞ、あっここはこえだめだ!うぁー」
「どうかなさいましたか」
「なんて、きれいなおひめさまだ」
「こんなすがたになって、わたしがきれいなみずであらってあげましょう」
「ありがとうございます。おやおかしいぞ。ごろざえもんじゃないか」
「どうしました?」
「やい、こんどはだまされないぞ! きにしばりつけてやる!」
「おやめください、おやめください」
「なきつかれて、ねてしまった、ごろざえもんじゃない。ほんとうのおひめさまだったんだ。どうしょう。おやくしょにつかまって、ばつをうけるだろう、どうしょう」
「あさになった。おや、きにしばりつけたきものがある……さてはまた、だまされた!」
おしまい
最初のコメントを投稿しよう!