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18歳を迎える年の春。
車が無いと何処へも行けない、何も無い田舎の駅。
私を見送ってくれるのは
ホームの端に僅かに残った薄茶色く汚れた雪。
この春、私は東京へ行く。
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都心から電車で30分程離れた場所にある狭いアパートの一室。
一人暮らしに必要な最低限の家電と、とりあえずの洋服たち。
必要になったら東京で買えばいい。荷物は少なくしたつもりだったけれど、部屋は段ボール箱でいっぱいになった。
布団を敷けるだけのスペースを確保するまで片付けて、ひと息つく。
…近所のスーパーでも見に行こうかな。
外に出ると同時に目に入るアパートの数々。
その向こうには高層ビル群。
東京に来たんだな。
数時間前に見た、何処までも広い空とは違う景色。
これから始まる暮らしに膨らむ期待と同じくらい秘めた不安。
…どんな私に出会えるのかな。
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