始まりの日

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ある国の城の中。 警護兵が王様と見られる人物を護るために左右に一人ずつ立っている。そして、片膝を付けて敬意を表し頭を下げている男がいる。今は、この国の大事な時期の相談。そのために一人で訪ねてきたのだ。 「王様、2ヶ月後辺りには歴史的な大祭典の日がございます。この国は何を目的になんの行事を致しましょう?」 おそらく、この国の祭典準備関係者のトップであると見られる。相談をしに城に伺っている。そして、何も決まってないという焦燥感も少しばかり表情に見せている。 「うーん、そうだねー。何かしたいものある?」 軽い口調で、全然気取っておらず子供っぽい。そう、いわゆる王という風貌、雰囲気らしからぬこの国の城の主。 見た目で言えば、およそ15歳、実年齢は二十歳の若い王様である。 「いえ、私は提案するようないい身分ではないので」 「全然そんなことないよ。僕もまだこの職になって、あまり実績も立ててないしね」 腰の低い、しかし相手に気を使わせないそんなところが彼の良いところである。 実際、確かにまだ実績も手柄も立てていない。だが、周りからの人望は厚く、この国の未来は安泰だという意見が多数あるのは明るい材料だ。
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