3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ない、ない、ない……」
恭子はベッドの隅から隅まで探した。
「なんで……」
いくら探しても見つからない。
「せっかく十万円も貯めたのに……」
毎日戸締りの確認はしているし、荒らされた形跡もないので泥棒に入られた感じではない。
「夫にバレたか……」
だが、証拠はどこにもない。
あるとすれば、夫である義昭の帰りが最近毎日遅いのは、きっとお金を手に入れたからだと恭子は思う。
「帰ってきたら問い詰めよう」
義昭が取っていない時の事も考えて、へそくりを匂わせない問い掛けを考えることにした。
最初のコメントを投稿しよう!