へそくり

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「ない、ない、ない……」 恭子はベッドの隅から隅まで探した。 「なんで……」 いくら探しても見つからない。 「せっかく十万円も貯めたのに……」 毎日戸締りの確認はしているし、荒らされた形跡もないので泥棒に入られた感じではない。 「夫にバレたか……」 だが、証拠はどこにもない。 あるとすれば、夫である義昭の帰りが最近毎日遅いのは、きっとお金を手に入れたからだと恭子は思う。 「帰ってきたら問い詰めよう」 義昭が取っていない時の事も考えて、へそくりを匂わせない問い掛けを考えることにした。
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