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経営戦略室なら年収2千万円超えるだろう。
金があれば人を動かせる。
現に俺は朝陽から借りた金で動いている。
携帯の登録も「くそホストゲス野郎」から「朝陽くん」に変更し、魂まで売り渡した。
深雪はゲームクリエーターの専門学校に通っていると言っていた。
以前、家庭用ゲーム機のメーカーをコンサルしたが、ゲームクリエーターの給料は大成しない限り安い。志望者が多いため足元を見られるからだ。
柿本なら深雪を経済面で助けてやれるかも…。
「深雪をリアルな彼女にしたいと思う?」
「か、彼女!?無理です。僕、女性と付き合った事ないし…」
「嘘だろ?エリートなんだから向こうから寄ってくるだろ」
「そんな!会社に入ったばっかりです。僕まだ22歳だし」
経営戦略室って新卒受け入れてたっけ?と思ったと同時にある事が頭に浮かんだ。
「も、もしかして、君、柿本MDの息子?東京支社を立ち上げた…」
「え、はい…。お恥ずかしながら、コネ入社です」デヘヘと柿本は笑う。
柿本氏は旧財閥の一派で、長者番付にも載るほどの金持ちだ。
体を掻きまくっている、柿本の小太りの体型やニギビは、栄養過多で富裕層の証みたいに思えてきた。
庶民の喫茶店が肌に合わずアレルギー反応を起こしているのかも…。
エリート御曹司で童貞…絶滅危惧種なみの希少価値だ!
「あばたもえくぼ」とはよく言ったもんだ。全てをポジティブに解釈してしまう。
驚きの連続で興奮するが、深雪へのアプローチ術のアイディアは出てこない。
この件は一旦保留とし後日話そうと連絡先を交換した。
サブスク彼女調査なのに、変な事に足を突っ込んでしまった…。
本業に力を入れなければ…。
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