15. 表 - ナッキュ

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 土曜日の片瀬江ノ島駅は人で溢れている。  最近は、海外の観光客が多いから店も変わったな…。  ナッキュは待ち合わせ時間通りに現れた。  前回は、リケジョ仕様でギャルっぽさはなかったが、今日は控えめのギャルメイク…。色々なバージョンがあるな。 「おはよ。今日も可愛いね」  江ノ島というロケーションに合った格好なので、思わず言ってしまった。 「嬉しい」 「あれ、ギャル語はどうした?あざまるじゃないの?」 「ん?別に、いいじゃん!行こ!」  俺の手をギュッと握り、歩き出す。  おお、なんか本当のデートっぽいぞ!って本当のデートだし。  駅から江ノ島へは歩いて15分くらい…。  坂道が多いが、美味いビールを飲むため頑張るぞ。 「ナッキュ、しらす食べれる?」 「うん。好きだよ」 「今時期は、生しらすが美味いんだよ」  天気がいいので道のりは混んでいたが、何度も来ているので裏道を見つけサクサク進む。 「冬一郎、江ノ島詳しくない?」 「ああ、フランスのモンサンミッシェルと江ノ島は俺に任せろ!」 「はぁ?イミフ!」  お目当ての店は時間が早いのでまだ空いている。  カップルっぽくカウンター席に座り、ビールを頼む。  ナッキュはビールに付き合ってくれる。いい子だな。 「生しらすと、貝類も食べようか…。苦手なものある?」 「たぶん、大丈夫。あんまり貝類の味の違いがわからない」 「えっ。マジ?じゃあハマグリいこうぜ」 「ふふっ。なんか今日、冬一郎はしゃいでね?」 「うるさい。サザエもいっちゃお。これで違いがわからないって、言ったら怒るぞ」  間違いなく、はしゃいでる。   知っている町を女の子を案内するって楽しいな。  
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