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土曜日の片瀬江ノ島駅は人で溢れている。
最近は、海外の観光客が多いから店も変わったな…。
ナッキュは待ち合わせ時間通りに現れた。
前回は、リケジョ仕様でギャルっぽさはなかったが、今日は控えめのギャルメイク…。色々なバージョンがあるな。
「おはよ。今日も可愛いね」
江ノ島というロケーションに合った格好なので、思わず言ってしまった。
「嬉しい」
「あれ、ギャル語はどうした?あざまるじゃないの?」
「ん?別に、いいじゃん!行こ!」
俺の手をギュッと握り、歩き出す。
おお、なんか本当のデートっぽいぞ!って本当のデートだし。
駅から江ノ島へは歩いて15分くらい…。
坂道が多いが、美味いビールを飲むため頑張るぞ。
「ナッキュ、しらす食べれる?」
「うん。好きだよ」
「今時期は、生しらすが美味いんだよ」
天気がいいので道のりは混んでいたが、何度も来ているので裏道を見つけサクサク進む。
「冬一郎、江ノ島詳しくない?」
「ああ、フランスのモンサンミッシェルと江ノ島は俺に任せろ!」
「はぁ?イミフ!」
お目当ての店は時間が早いのでまだ空いている。
カップルっぽくカウンター席に座り、ビールを頼む。
ナッキュはビールに付き合ってくれる。いい子だな。
「生しらすと、貝類も食べようか…。苦手なものある?」
「たぶん、大丈夫。あんまり貝類の味の違いがわからない」
「えっ。マジ?じゃあハマグリいこうぜ」
「ふふっ。なんか今日、冬一郎はしゃいでね?」
「うるさい。サザエもいっちゃお。これで違いがわからないって、言ったら怒るぞ」
間違いなく、はしゃいでる。
知っている町を女の子を案内するって楽しいな。
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