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小春ちゃんと途切れる事なく会話を続け、簡単な夕食も同じ店で取る。
食べ方が綺麗だ。口元を見てちょっと興奮する。
トークだけじゃ物足りないんじゃ…と思ったが、教養がある子と会話するのは楽しい。
小春ちゃんは昼間はOLをやっているらしい。土日のみサブスク彼女を演じているようだ。
正直に話してくれたって事は俺に心を許している。まあ、嘘かもしれないけど…。
3時間が経ち食事代を会計しようとすると、小春ちゃんは自分の食事代は出すと言ってきた。
「え、なんで?ご馳走させてよ」と言うとスマホでご利用契約詳細を見せてくる。
確かに…「女性は自分の飲食代は払います」と書かれている。
「嘘だろ?それで採算とれるの?」驚いて本音が出てしまった。
「私たちが気兼ねなく好きなもの頼めるように…っていう方針みたいです」
「へえ。賄いみたいな感じなのか」
「ふふふ。冬一郎さんって面白いですね」
小春ちゃんの笑顔は俺を勘違いさせる。
「また、会いたいな」
「はい。でもサブスクは指名ができないんです」
「え!そうなの?」
シフォンケーキは社交辞令か!
……なんてイケテナイサービスだ。早速クレームをつけよう。
「私も会いたいです…。いつも土日の東横線を担当してます。きっとまた会えますヨ」
小春ちゃんはミステリアスなセリフを残し去る。
おおお、こうやって男たちを惑わし次の土日も予約させるのか。
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