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柿本は来てくれるようで、俺とナッキュは麻布のバーに移動する。
ナッキュは自然に手を繋いでくる…。俺たちって結局付き合っているのかな。キスまでしかしてないけど…。
「今日のうち、地味だから恥ずかしい」とリケ女仕様のナッキュは言う。
「大丈夫。可愛いよ」と頭を撫でると、ナッキュは俺にキスしてきた。
おお。大胆だな。刑事になりたいって本当なのかな?
エロポリスみたくなったら、どうしよう。
「来週、俺の警視庁の友達に会うか。週末の方がいいよな。なんでも聞くといいよ」
「有難う。冬一郎って…どうしてそんなに優しいの?」
「え?ナッキュが好きだから。優しくしたらいい事あるかなって」
「なにそれ?!」
「冗談だよ。日本の将来が心配なんだ」
「嘘くさい…」
「本当だよ。他にもちょっと警察に相談があるんだ」
「ふうん…」ナッキュは疑い深く目を細める。
話していると柿本がやってきた。
ナッキュには何度か会っているので、もうお互い人見知りはしていないようだ。
柿本は深雪とのファーストキスプランをナッキュに話し、ドン引きされて悲しそうだった。
「朝陽さんとホストのフラッシュモブはやりすぎだよ〜」
「え〜。もう日程も決まったのに」柿本はオドオドしている。
「いいじゃん。深雪はきっと喜ぶよ。俺らも応援に行こうよ」
そう言うとナッキュは納得した…というか機嫌が良くなる。
「柿本くん、会社の状況はどう?経営戦略室、バタバタしてんじゃない?」
「はい。詳細は報道されていると思いますが、結論は2社で企業特化のコンサル会社を立ち上げるになっています」
「なるほど。出資とか利益配分とかちょっともめそうだな。G・サックスの方が会社規模がでかいけど、企業特化のコンサルはMキンゼーの方が強い。互いの妥協案が決まるまで、時間がかかるだろう」
「さすが柳さん。その通りです。また、幹部メンバーを少し見直すようです。そうえいば、昨日一緒にキャバクラに行った、月子さん?幹部メンバー候補に入ってましたよ」
「はあ?」驚いて変な声が出てしまった。
「驚きますよね。でも弊社のMキンゼーからアプローチしているみたいです。月子さんは美容系の会社にコンサルできる能力があるので、新規顧客を呼び込めるって」
「思いっきり初耳だな。ナッキュ知ってた?」
「知らない…。月子は野心家だからあり得ると思うけど」
「うちの親父も月子さんを気に入っているみたいです」
「柿本MDのお気に入りか…。じゃあ、幹部に入り込むかもな…」
朝陽は知っているのかな?
あいつ結構あげちんじゃないか…。
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