99人が本棚に入れています
本棚に追加
Side ミア
三月の終わりだというのに、雪が降っていた。
「いいよ。あたしだけ行ってくるから」と、家にヒロムと子供たちを置いて、出かけることになった。
「んじゃ、お義母さんによろしくな。運転気をつけろよ」と、見送られた。
ふぶいてるわけじゃないから、大丈夫だろう。
行き先は、実家だ。
お母さんが、腰を痛めたって泣きそうな声で電話をしてきたものだから、様子を見に行くことにしたんだ。
たいしたことないんだろうけど。
インターフォンを鳴らしてみたけど、なんの反応もない。腰が痛くて起きれないんだろうな。
思った通り、ドアの鍵は開きっぱなし。そっと家の中に入った。
最初のコメントを投稿しよう!