ヒロムの焦り

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Side ミア 三月の終わりだというのに、雪が降っていた。 「いいよ。あたしだけ行ってくるから」と、家にヒロムと子供たちを置いて、出かけることになった。 「んじゃ、お義母さんによろしくな。運転気をつけろよ」と、見送られた。 ふぶいてるわけじゃないから、大丈夫だろう。 行き先は、実家だ。 お母さんが、腰を痛めたって泣きそうな声で電話をしてきたものだから、様子を見に行くことにしたんだ。 たいしたことないんだろうけど。 インターフォンを鳴らしてみたけど、なんの反応もない。腰が痛くて起きれないんだろうな。 思った通り、ドアの鍵は開きっぱなし。そっと家の中に入った。
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