ヒロムの焦り

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「お母さん?」と呼ぶと「こっち、こっち」と弱い声が聞こえた。 リビングに行くと、そこに布団を敷いて横になっていた。 「え? 大丈夫?」 「ダメなのよー。もう、這いつくばって生活してるもの」 「病院は?」 「行きたいんだけど、歩けなくて」 「診てもらおうよ?」 「だって、起きれないんだもの」と、また半泣き。 「いいよ。連れてく」と、痛いを何度も言い続けるお母さんを、緊急の対応も行っている総合病院まで送って行った。 土曜日ということもあり、いつもより人は少ない。
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