DIE1話 血の滴る違異漢

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「ハッ!」  嘲笑。 「『神様』?『獣』ごときが随分と素敵なモノに騙るんだね。」  鰐がコウモリ男と語っているのを傍目に、リベナは皮肉気に問う。 「相変わらず不遜な娘。」  地面に胡座をかいて座っている少女に、セベクは目を向けない。  リベナの傍には柄の黒い日本刀が、鞘にも納められずに無造作に置かれている。 「とっとと聞いたらどうなの?」  問う。  少女は鰐に。  鰐はヒトのようにため息を吐く。   「き、聞くって何を……?」  男は状況が読み込めず、彼女の言葉を反芻する。  そして刹那。  リベナの傍に在る刀。  その刃の違和感に気付いた。 「そんなの、決まっているじゃない。」  気付いてしまった。  気付かなければよかったのに。 「『鬼』を手放すか、否か。」  血に濡れていた。  銀に輝く刃が。  朱に染まった己の身体が。 「私に殺されるか、否か。」
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