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映画監督
という映画を撮っている。
私のプロの監督としての初の作品だ。
それだけに力が入っている。
この作品は新人監督のコンテストに応募する予定だ。
そのコンテストでグランプリを獲れば、映画監督としての将来は約束されたようなものだ。
しかし、そのコンテストには私がアマチュア時代から競い合っている男も参加する。
そいつの作風は、派手さはないが観客の感情を揺さぶる感動ものだ。
無名の役者を使い、金をかけず、シナリオを重視するスタイルで、観客がそのシーンの中にいるような錯覚に陥るカメラワークで、観客の心を引き込む。
アマチュア時代のコンテストでは、悔しい思いをするばかりだった。
ただ、今回の私の作品には自信がある。
CGを駆使した宇宙人との戦争を描いた大スペクタクルだ。
自国の利権を巡り争っていた世界の各国が、宇宙からの侵略に備え、地球軍を結成し団結する。
巨大ロボットの地球人パイロットと戦闘能力の高い宇宙人とのライバル同士の戦いがメインになっている。
爽快なSFアクションに加え、最後には人類の尊厳を思い直すという感動ものになっている。
多額の借金もした。後戻りはできない。
絶対、負けられない!
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