ライバル

幼馴染

　というゲームをやっている。
隣にいるのは、幼馴染の聡だ。
幼馴染が戦うというこの格闘ゲームの設定は、今の僕たちと同じだ。
でも、僕たちは格闘家じゃないけどね。
聡は、格闘の修羅と化したキャラクターが好きで、いつもそのキャラを使っている。
僕はそいつの目を覚まさせる為に戦うキャラクターを使っている。
聡とは同い年で、家も隣同士。
身長も体重も同じくらい。
勉強でも差はない。
生まれた時から小学５年生になった今まで、比べられながら育ってきた。
お母さんからは、

「お隣の聡君は逆上がりが出来るようになったみたいだよ」とか

「お隣の聡君は九九が全部言えるみたいだよ」

と言われ続け、そのたびに負けたくないと思い、必死に頑張ってきた。
僕たちは地元のサッカークラブに所属しているが、５年生でレギュラーメンバーに選ばれたのは、僕と聡だけだった。
それだけに、こんな単純なゲームで負けるなんてプライドが許さない。

絶対、負けられない！