ライバル

漫画家

　という漫画を描いている。
前は、恋愛ものの少女漫画を描いて出版社に持って行っていたんだけど、同じように少女漫画を描いて持ち込みをしている同世代の女の子がいた。
お互いに採用されなくて出版社のロビーで落ち込んでいた時に、自然と声を掛け合って励まし合うような仲になるのに時間は掛からなかった。
作品を見せ合って、褒め合って、慰め合って、

「いつか、一緒にデビューしようね」

なんて言っていたんだけど、気付いちゃったんだ。
その子の方がアタシより上手だった。
同じような作風で競い合っても、この子には敵わない。
アタシが採用される前に、彼女が採用されてしまう。
そして、アタシは自分の作風を変えることにした。
幼馴染が競い合い、成長していく少年漫画に。
この少年たちは共にサッカーを続けていくが、高校は別々に進む。
２人ともチームの主力選手となり、大会で勝ち進む。
そして県予選の決勝戦で戦うことになる。
それまでの２人それぞれの努力と意地のぶつかり合いがクライマックスだ。
この作品で、彼女より先にデビューしてやる。

絶対、負けられない！