〜淡い期待〜

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〜淡い期待〜

僕は、君との距離を取った 壊れそうな自分を守るために。 君と彼女が幸せそうにしているところなんて見たくないから‥ そんな姿を見せつけられたら、僕は狂って君を壊してしまいそうになるから、、 こんな気持ち、消えて無くなればいいのに… この頃の僕は自暴自棄になっていて、言い寄ってくる女を片っ端から抱いていった。 幸い、容姿から良かったからか、言い寄ってくる女は掃いて捨てるほどいたから‥ 少しでも、君を忘れる為に でもそんな事をすればするほど、君が恋しくなって、心に開いた穴は広がるばかりで、余計に虚しくなった 進学した高校は同じだし、家も隣同士だから、嫌でも毎日顔を合わせてしまう・・ だから、自分の運命を心底呪った 「なあ、お前遊び過ぎじゃないか?そのうち女に刺されるぞ?」 友達の忠告にも僕はは耳を傾けなかった …むしろ、その方がいいと思っていたから (その方が良いんだ・・・君のそばにいられないこんな運命なんて要らない) 自分にそう言い聞かせて 君が手に入らないなんて・・こんな残酷な運命、こっちから願い下げだ 高校もギリギリで卒業できたものの、相変わらず私生活は荒んでいた まだ実家で暮らしてはいたが、大学受験に失敗した僕は、アルバイトしながら予備校に通う日々。 君は大学生2年生になっていた 君への恋心は依然としてあるものの、以前とは違い、顔を合わせれば話せるようになっていた 少しだけ大人になった僕は、小さな心境の変化に気が付いていた …この恋が叶わなくても、君の傍にいたいと そんな中、夏休みになり 少しでも君の傍に居れるならと、自分が働いているバイト先を君に紹介した 「なあ、チャミナ・・今度の休み海に行かないか?」 「海?・・彼女といけばいいだろ?」 「・・彼女なんていないよ」 「え・・?そうなの?なんで??」 「なんでって言われても・・」 「高校の時からいつも彼女いなかった?」 「・・・ああ。あれか、あんなのすぐ別れたし」 「・・・そうなんだ。…でも野郎同士で海ってどうなの?」口ではそう言いながらも、心の中で小さくガッツポーズ(笑) 「・・・お前と行きたいんだよ」 「・・・そっか」 え??それって・・??? ・・そんな事言われたら期待しちゃうだろ?
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