コード6 スペードの国王

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コード6 スペードの国王

マッチョ男が加奈子を羽交い絞めにして私から引き離した。 弁護士が鋼色のボイスレコーダーを彼女の目の前に突き出す。 「今の会話はすべて録音されております。 月面新聞社様を告訴します。 これまでの社で記載されたすべての記事に対しては第三者委員会で審議され是非が問われるでしょう。 委員会は一週間以内にこちらの息のかかった地元市議・有識者で組織されます。 ま。終わりですね。叔父様の新聞社。御気の毒に」 他の三人は三脚に跨って教室の天井あちこちに仕掛けておいたカメラの回収に取り掛かった。 きゃあああ…… うそお! 撮ってたってこと!? ずっと?いやあ! 女子たちの黄色というより黄金に近い声があがる。 「本日は体育の授業もございませんでしたので、その点はYouTubeでどう映ろうと大丈夫です。ですがSNSの拡散は我々でもどうしようもありません。天使ヶ原加奈子さん以下二名とここにおられる皆様。社会的制裁を存分に味わって下さい」そこまで一気にしゃべるとパンパン手を叩いて 「これにて撤収!姫様ご帰還!」
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