レヴィアタンと俺

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 俺は良太。どこにでもいるような平々凡々な大学二年生だ。  でも、ひとつだけ平凡じゃないところがある。そう、実は俺の恋人は、あの悪魔のレヴィアタンなのだ! 『良太、構え』 「うるさい。俺ゲーム中」 『構えと言っている』 「ゲーム中だって言ってる」 『構え!』  大きな声が頭に響いたと思ったら、バシャーンと盛大な水飛沫を上げて俺の最新ゲーム機に水がぶっかけられた。 「ああ! 俺のゲーム!」  叫んで思わず振り返れば、満足そうに尾ヒレを揺らめかせている魚が目に入る。  いや、魚とはちょっと違うかなぁ。ちょっとって言うか、全然違うかもしれない。似てるものをあげるとしたら、あの、リュウグウノツカイ? だっけ? あんな感じの。でも、あれよりはずっと綺麗ではある。蛇みたいな身体で、でもヒレがあって、あと元々海に住んでた。  それがなんでこうやって陸に上がって、俺の部屋でゆらゆら浮いてて平気なのかは知らない。きっと魔法とかなんかそんな感じなんだろう。多分。  でもこの魚(というかレヴィアタン)、めちゃくちゃ性質が悪い。本人は嫉妬の悪魔だから仕方ないだとかなんだとか言ってるけど、マジでその通り、めちゃくちゃ嫉妬深い。  今だって、俺が発売を楽しみにしてたゲームを嫉妬でぶっ壊した。俺が構ってあげないとすぐこれだ。お陰様で部屋は水浸し……。あーあ……。
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