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『良太、折角の休日というやつなのだろう? 私とデートにでも行こう』
「デートって……。随分俗語を覚えましたね悪魔様」
『そんな他人行儀なことは言わないでくれ。いやお前は照れているだけなのだろうし、私はそんなお前を愛しているわけだから、全然気にはならないのだが、それはさて置きお前には名前で呼ばれたいのだ。なあ、愛しい子』
「名前って……、というかそもそもお前の名前ってレヴィアタンなの? 俺それって種族名だと思ってたんだけど」
『今はそれが名前という設定になっているのだ。不都合を避けるため故、理解しておくれ』
「ええ……なんだ設定って……全然判らないんだけど……」
『その名が種族名であり私の名前であると理解してくれれば良いのだよ。無論、愛しいお前が望むのであれば細かく説明してやっても良いのだが、小さくか弱いお前に世界の真理に触れる覚悟はないだろう?』
「あっ、そういう系の話になっちゃうわけ?」
『そうとも。話すことはできるが、それを話せばそも私とお前が何故存在し、何故惹かれ合っているのかという、いわば私とお前の存在根底に迫りかねん。そして、お前にそれを受け止められるだけの心があるとは私には思えない。……ふむ、いや、心が壊れたお前もまた、それはそれで愛らしいような気も……』
突然物騒なことを言い出したレヴィアタンに、俺は慌ててレヴィアタンの頭をべちんと叩いた。
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