女の子が目覚めた日

私は自分が、いずれは大人の女性になるという事を自覚していなかったんだ。だって私は、女の子が好きではなかったから。宝石の形をしたキラキラしたプラスチックのおもちゃより、薄汚れたミニカーが好きだったし、ままごとやお姫様ごっこより、ヒーローごっこや新聞紙を丸めて作った剣でチャンバラをするのが好きだった。だから、女子の友達はほとんど居なかった。小さな時から男子とばかり遊んでいた私は、男の子みたいといつからか周りから、アキラと呼ばれる様になった。私の本名は、明(めい)という。子供時代の香川明は、大人になっても何も変わらずに、仲間とつるむ事が出来ると思い込んでいたんだ。