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ここで終わるわけにはいかない。
これでは親に無理を言って上京した意味がなくなってしまう。それに今回でダメだったら地元に帰ってくるように言われてしまった。
そして何より、東京という都会の生活を知ってしまった以上、田舎である地元に帰るというのが考えられない。絶対にこのオーディションに合格して見せる。
家のインターフォンが鳴り、画面を見ると配達員の姿が映る。
ついに結果が届いた。
この封筒がこれからの人生を決めるといっても過言ではない。
緊張しているのを表に出さないように封筒を受け取り今までで一番丁寧に封筒を開ける。
そして一番前に入ってる紙を素早く牽き抜く。
『オーディション合格』
嬉しさのあまり俺は紙を手に持ったまま思いっきり両腕を突き上げた。
書かれていた文字は俺が望んでいたものだった。
これでやっと戦場に立つことを許されたようなものだ。ここからは俺よりもすごい奴がたくさんいる。
俺の負けられない戦いはここから始まる。
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