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後
それからというもの僕はモテモテカードによって生活が一変した。
まず面接官の女社長に気に入られ、再就職を果たしたのを皮切りに女性社員に持て男性社員からは羨ましがられる存在になり、また会社以外の何処へ行っても女に持てた。
で、ある日の昼休み、同僚の一人で友達になれた加藤という男が僕に然も羨ましそうに情けなさそうに持ち掛けて来た。
「お前はいいなあ。女に持てて。それに引き替え、俺は女に見向きもされないよ」
その気色があまりにも哀れだったので僕は何とかしてやりたくなって秘密にしていたカードを取り出して白状してしまった。
「実は僕、このカードのお陰で女に持てるようになったんだ」
「えっ、冗談言うなよ。冗談言うならもっとマシなこと言えよ」
「冗談じゃないよ。僕がこれをコピーして君にやる。そしたら君はそれをポケットに入れる。それだけで君も女に持てるようになるんだ」
「はあ?子供だましにしても馬鹿々々しすぎる」
「何言ってんだ。これは仙人に貰ったんだぞ!」
「はあ?仙人だって?!」
「僕が嘘をついてると思うのか!」とここにおいて僕が睨みを利かして言ってやると、意気地のない加藤は、「い、いや・・・」と敢え無く怯んだ。
「信じる者は救われる」
「し、信じろったって・・・」
「まあ、明日コピーを持って来てやるから騙されたと思ってさ」
「う~ん・・・そんなに言うのなら・・・」
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