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ヒーローごっこ5
草を刈った後は、さらにスムーズに手順を進められた。ぼくの大切な相棒、ロボット犬のパブロフがいろいろと手伝ってくれたからだ。
パブロフのアドバイスのもと、この惑星Eduの土地を整地してから畝をつくり、土を十分にしめらせた後で互いの距離をある程度離しながら作物の種や苗木を植えていった。
そしてパブロフは、雑草の中から食べられる種類のものを見つけてきてくれたんだ。宇宙食のストックも限られていたこの状況にとっては一番ありがたかった。
せりやたんぽぽ、ノビルにヨモギ。
まさかこんなものが食べられるなんて、わからなかった。
それぞれの野草に合ったレシピも、火の起こし方も、パブロフが丁寧に教えてくれた。
マナブ・ロールシャッハというひとつの人間が十六歳になってもまだヒーローごっこを続ける理由。それは。
それは、目に見えぬ敵と戦い勝つためのヒーローごっこ。
孤独という敵との戦いなのだけれど、ぼくはひとりじゃなかった。
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