夢と希望を

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 連日の家庭教師代は思った以上の出費になった。  そんな生活を1年半続け、俺は大学を受験した。  もうすぐ40が見える年になっていた。  難関と言われた大学だったが、何とかぎりぎりで合格できた。  俺は世話になった家庭教師1人1人にお礼を言い、晴れて大学生になることができた。  大学の受講料、教科書代、その他もろもろの諸経費などは、俺の預金を食いつぶしていった。  俺は家政婦の契約を解約して、自分で家事をするようになった。  必要ない電化製品や時計などは売り、生活費に当てた。  それでも、これからの学生生活を考えると、資金を考えなければならなかった。  大学3年の夏、俺はマンションを引っ越した。  大学近くのアパートへと居を移し、マンションは人に貸すことにした。  幸い、すぐに契約者が見つかり、安定した収入を得られるようになった。
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