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目指せ普通の生活!!
魔王討伐から帰ってきた、俺たちを待っていたのは溢れんばかりの笑顔だった。
『勇者様〜ありがと〜』
『カゲツ様〜かっこいい〜』
『ローウェン様〜こっち向いて〜』
エンリは市民達のことを見ながら
エンリ『私たち、この笑顔を守れて本当に良かったわね。』
カゲツ『そうでござるな。やっぱり、人は
笑顔が1番でござる!』
ローウェン『(何かずっと視られている気がする。これだけ人がいれば当たり前か…)』
王城に着き、感謝と敬意の言葉を王様であるロック二世から賜り、報奨金と勲章を頂いた。
ロック二世『勇者エンリよ、其方には報奨金と聖人君主の二つ名を与えよう。』
ロック二世『戦士カゲツよ、其方には報奨金と一騎当千の二つ名を与えよう。』
ロック二世『最後に魔術師ローウェンよ、其方に兼ねてよりの約束である、王国郊外にある獣人街の一戸建ての住宅としばらくの間の生活費を与えよう。』
王とローウェン以外『?!?!』
ローウェン『ありがたき幸せ。』
エンリ『ちょっと!えっ!二つ名は?!
報奨金は?!』
カゲツ『そうでござる!流石に欲がなさ過ぎではござらんか!!』
ローウェン『だ〜か〜ら〜、俺は言ってるだろ。普通の生活がしたいって!二つ名なんかあると余計な事に巻き込まれるだろうし。最初から大金を持ってるなんて、金持ちスタートは嫌なんだよ!』
エンリ・カゲツ『(この男、やはりどこかネジ飛んでるな)』
ロック二世『まあ、色々あるだろうが今日は宴を用意してあるから存分に楽しんでくれ』
一同『おぉぉぉぉ!!!』
宴も終わり、ふと外に目を配るとテラスで
夜風に当たりながらじっと街を見ている
エンリの姿があった。
ローウェン『エンリ〜酔っぱらっちゃったのか〜?』
エンリ『あなたほどじゃないわよ。
ねぇ、私たち3人これでお別れなのかしら。』
ローウェン『さあてね。そんな事わからないさ。』
エンリ『…そうね。』
ローウェン『ただ、俺たち3人はあらゆる困難にいつでも3人一緒にぶつかって超えてきた。それは、経験してきた事であり、真実でも
ある。
だから、その真実だけは未来永劫変わらないさ。
それにもし会いたくなったら、いつでも俺の家に遊びにこいよ!
友達が遊びに来ないのは普通じゃないからな!』
エンリ『うん…行く!必ず行くからキレイにしときなさいよ!!』
翌日 城門前
エンリ『今日まで2人とも本当にありがと。』
ローウェン『気恥ずかしいこと言うなよ。』
カゲツ『そうでござる!別に頼まれてやったことではないでござるからな。』
エンリ『ふふ、そうね。じゃあ、いつもの
私たちらしく掛け声でもしましょうか。』
ローウェン・カゲツ『おう!』
エンリ『生まれてきた場所は違えども』
カゲツ『我らの根っこは皆同じ場所』
ローウェン『さもあれば、我らは皆家族である』
3人『どんな困難でもこの3人なら超えていける!さあ、飛ぼう!明日という壁を!』
カゲツ『はは!ではお二人共、拙者は先に
行くでござる!またどこかで逢いましょうぞ!』
エンリ『私も行くわね。絶対に家にいくから覚えておきなさいよ!』
ローウェン『いつでも待ってるさ。』
少し頬を赤らめながらエンリは
エンリ『あとさ…その…』
ローウェン『なんだ?顔が赤いぞ?
昨日の二日酔いか?』
エンリ『なんでもないわよ!そうよ二日酔いよ!』
ローウェン『そんなに声を荒げなくても...』
驚いたローウェンは声が裏返ってしまった
エンリ『さよならは言わないわ。またね!
ローウェン!』
ローウェン『ああ!またな、エンリ!』
こうして仲間達と別れた俺の『普通の生活』がこれから始まる!
4月1日に更新予定
次回 第二章 一節 獣人街
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