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第二章 一節 獣人街!
エンリ、カゲツと別れたローウェンは我が家が待つ獣人街へと足を進める。
獣人街…獣人街には、多くの獣人(全身が獣の様であったり、身体の一部に獣の部位が色濃く出ているもの)が生活をしており、人間族よりも獣人が多いため獣人街と呼ばれている。
ローウェン『普通の生活を手に入れられるのは嬉しいけど、もっと良いところはなかったのかね。』
獣人街は治安に問題があり、旅人や商人であれば絶対に立ち寄ってはいけないほどである。
ローウェンが獣人街への入り口に着くと、
案の定、獣人たちが争い事をしているのが目に入った。
猪頭の獣人『お前みたいな半端者はこの街から出て行け!!』
犬耳の獣人『何の動物かわからないやつだし、気持ち悪いもんな〜。』
ローウェンが呆れながら、その様子を見ていた。
しかし、目を凝らして罵倒されている人物を見ていくと、それは獣人ではなく魔族の少女であった。
ローウェン『(どうして、王国内に魔族の少女がっ!)』
なぜか、ローウェンは魔族の少女に話を聞かなければならないと思った。
ローウェン『獣人のお二人さん、それぐらいで良いんじゃないかな?』
猪頭の獣人『何だ、お前は!ただの人間ごときが俺様たち獣人に歯向かうじゃねぇ!!』
犬耳の獣人『いや、ちょっと待て!こいつは
確か魔王を討伐した内の1人じゃ...』
魔族の少女『(...っ)』
猪頭の獣人『なにっ!ちっ!ここはずらがるぞ!』
2人の獣人を追い払ったローウェンは、魔族の少女の元へ歩み寄る。
ローウェン『君、魔族だよね?何で、王国内部にいるのかな?』
魔族の少女『....てやる...てやる...てやる』
魔族の少女は俯きながらブツブツ何かを喋っている。
ローウェン『もう少しハッキリ言ってくれないか?』
その言葉に反応した魔族の少女は頭を上げた。
少女の目は青く紫色の髪の隙間からは黒い
ツノが生えていた。
そして、少女はローウェンの目を見ながら
たった一言だけ言った。
魔族の少女『カナラズコロス...』と。
そう言うと少女はどこかへと立ち去ってしまった。
次回
獣人街!!
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