五章 一節 エンリと聖王国!

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五章 一節 エンリと聖王国!

偽勇者パーティの一件から1ヶ月程が経過した 店にも、ちらほらとお客さんが来るようになった ある時、エンリ宛に一通の手紙が届いた ネル『エンリさん。エンリさん宛にお手紙が届いてますよ!』 エンリ『ありがとう。ネルちゃん! さて、誰からかしらね〜』 エンリは手紙を開け、しばらく読み進めていた 読み終える頃には明らかに浮かない顔をしていた ローウェン『どうした?何かあったのか?』 ローウェンがエンリに尋ねるとエンリは手紙をローウェンに見せた ローウェン『いつものやつか...』 エンリ『そうなのよ...』 2人の表情を見てネルは気になってしょうがなかった ネル『それで?どこの誰からどういう手紙なのよ?』 ローウェン『そういえばネルは知らなかったよな。 エンリは、聖王国から派遣された勇者なんだ。』 ネル『聖王国ってあの...清く正しく美しくが 教訓の?』 ローウェン『そう。その聖王国だ。』 ネル『でも、その聖王国からの手紙の何が 問題なの?』 エンリ『聖王国は自国の軍事力の強さを他国に見せつける為に私に戻ってきて欲しいのよ。』 ネル『なるほど。魔王を倒した勇者がいる国なんて誰も攻めたくないもんね。』 エンリ『ここ最近、ずっと送られて来ているから嫌になるわ。』 ローウェン『いっその事直接出向いて断る とかどうだ?』 エンリ『一回国に入ったらもう出れないわ。 ローウェンも知ってるでしょ?』 ローウェン『確かにな...』 ローウェン『それで?手紙に期日とかは書いてあるのか?』 エンリ『ちょっと待ってね... 嘘でしょ...』 エンリは手紙を落としてしまった ローウェンがその手紙を拾うと、こう書かれていた 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 勇者 エンリよ 其方の活躍は聖王国全土に知れ渡っており、国民全員が其方の帰りを待ちわびておる。 話は変わるが聖王国国王のベディックス3世の御子息、皇太子ロンバード王子がお主を妻に召抱えて下さるとの事じゃ。 これから、そちらに部隊を派遣し其方を迎えに行かせる。 なお、其方は抵抗する事も考えられるので 聖王国でも腕の立つロイヤルパラディン部隊を派遣する事になった。 其方に会う事を楽しみに待っておる。        聖王国 宰相 ロンバード  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ローウェン『手紙の内容からすると、その ロイヤルパラディン部隊ってのがもう既に 向かっているかもしれないな。』 ネル『確か聖王国のロイヤルパラディン部隊って国王直属の部隊よね...』 エンリ『ローウェン、ネルちゃん。2人はお店に残ってて。 これは私の問題だから。』 エンリの目はどこか寂しげだった ネル『エンリさんは、エンリさんはこの店の大切な従業員です。だから、聖王国になんて 行かせるつもりはありません! ローウェンもそうでしょ!!!』 ローウェン『当たり前だ! エンリは渡さない!聖王国が相手だろうと ロイヤルパラディン部隊が相手だろうとな!』 エンリ『2人ともありがとう...』 3人が打倒聖王国を掲げていると店のドアが開く音が聞こえた そこに立っていたのは...          次回       エンリと聖王国!!
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