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獣人街!!!
アルバイト募集の貼り紙をしてから、1週間が経過した...
だが、応募者はまだいない...
ローウェン『...まあ、まだ1週間だし!まだ、わからないし...』
1人だけの空間なのに、独り言がだだ漏れなローウェン。
しかし、その空気を払拭する店の入り口の鐘が音を立てた。
チリンチリン
ローウェンが勢いよく振り返ると、そこにはどこか見覚えのある少女が立っていた。
少女『あの、ここで働きたいんですけど』
ローウェンはその少女の言葉は耳に入らなかった。
なぜなら、その少女は獣人街で出会った魔族の少女だったからだ。
ローウェン『君は、あの時の!!』
ローウェンがそういうと、魔族の少女も彼の顔を見て驚きの声をあげた。
魔族の少女『何で、ここにお前が!!』
魔族の少女の顔は、驚きの表情から一変して
怒りの表情へと変わった。
魔族の少女『まさか、あんたもここで働くつもりなの!?』
ローウェンが何と言えばいいか悩んでいると、魔族の少女は続けて言った。
魔族の少女『ここは、あたしが雇ってもらうんだ!。だから、誰にも渡さない!。』
ローウェン『そんなに、金に困っているのか?』
魔族の少女『お金が無かったら悪いの?!』
ローウェン『何で、そんなにお金に困ってるんだ?』
魔族の少女『あんたにだけは絶対に言いたくないわ!!』
ローウェン『(何か事情があるのは確かだな』
ローウェン『ここで働いてみるか?』
魔族の少女『何であんたに決められないと行けないんだよ!!』
ローウェン『...ここ、俺の店なんだよ...』
魔族の少女『???』
ローウェン『(全力の笑顔)』
魔族の少女『えっ!ここが、あんたの店?』
ローウェン『一応...そうです。』
魔族の少女『何であんたみたいなエリート様がこんな所で店なんか出してるのよ!』
ローウェン『いや、普通の生活がしてみたくてさ。』
その言葉を聞いた魔族の少女はどこか怒っているような雰囲気があった。
魔族の少女『ともかく、あんたの店で働くなんてゴメンだわ!』
そう言うと魔族の少女はどこかへ立ち去ろうとする。
ローウェン『どこか、泊まる所はあるのか?』
魔族の少女『野宿するから良いわよ!!』
彼女の服をよくみると、汚れていたり破れていたりしていた。
おそらく、何度も野宿をしているのだろう。
ローウェン『別に働かなくていいから今日
ぐらい泊まって行きな。』
魔族の少女『何であんたに優しくされなきゃならないのよ!』
ローウェン『俺を殺したいんだろ?それなら寝込みとか油断している時の方がよくないか?』
魔族の少女は少し考えた後、
魔族の少女『...それもそうね。とりあえず、
今晩は泊めてもらうわ。』
ローウェン『あぁ、そうすると良い。』
ローウェン『ところで、君の名前は?』
魔族の少女『人に名前を聞く時は、
まず自分から名乗りなさいよ!』
ローウェン『...俺はローウェンだ。君は?』
魔族の少女『...ネルよ。』
ローウェン『よろしく、ネル。』
ネル『あたしは、よろしくしないわよ!』
魔族の少女ネルがローウェンの家に泊まる事となり、ローウェンがネルに家を案内していると...
ネル『ちょっと!ここに来てどれくらいだって言ったっけ!?』
ローウェン『1週間ぐらいかな』
ネル『汚すぎるでしょ!!どうしてこんなに汚くなるのよ!!』
ローウェン『そんなに言うほど汚いか?』
ネル『食器は置きっぱ、ホコリが沢山被ってるし最悪じゃない!』
ネル『こんな所じゃ寝れないわよ!今から
掃除するわよ!!』
ローウェン『いや、でもこんな時間だし
近所迷惑になるし...』
ネル『ご近所さんなんていないじゃない!』
ローウェン『そういえばそうでした。』
ネル『こんなんじゃ、お客だって来ないわよ!』
ネル『私が魔界に居た時に働いて居たお店はもっとキレイでお客も一杯だったわ!。』
ローウェン『なにっ!それなら早く掃除を
しないとだな!!』
ネル『じゃあ、さっさと始めるわよ!』
ローウェンとネルは3時間かけてようやく掃除が終わった。
ネル『ようやく終わった...』
ローウェン『いい汗かいたな!はははは!』
ネル『笑えないわよ!!!』
ローウェン『なあ、ネル。君さえよければ
俺にもっと色々と教えてくれないか。』
ネル『あたしはあんたを殺そうとしているのよ?それでも雇いたいわけ?』
ローウェン 『ああ、それでも構わない。
ただ...店の営業時間中は勘弁してくれ。』
ネル『あなた、思ってたより抜けてるのね。いいわ、私も働いてあげる。』
こうしてローウェンとネルによる共同生活が始まるのであった。
次回
二節 そんなに楽じゃないのよ仕事は!
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