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繋いでたもの
「今日のご飯はー?」
その言葉しか知らんのか。私はあなたの親じゃないわ。
初めは全然違ったんだけどな。そうさせたのは私自身だった。でもあれもこれも全部好きだから許せたんです。誰に何を言われようが、「いや知らないでしょ彼のいい所」と思っていたし、私は私で彼の優しさに甘えていたから。
久しぶりのデート。気分は最高。彼とだったら目的なくてもどこでも楽しい。
「なんか楽しいことないかなー」
ちょっと意地悪を言いたくなって言ってみた。
「え、俺といることが楽しいでしょ!」
私へ向けた満面の笑み。ほら、この笑顔に何度助けられたか。ずっと見ていられると何度も何度も思ったのよ。彼もそうだったと思う。
決定打はある日突然やってきた。いつものように仕事が終わり帰宅。
「おかえり。」と煙草片手にいつもの笑顔。ふとその煙草を見ると、吸い終わり、短くなった煙草にもう一度火をつけていた。そう、お金が無いから、煙草を買うお金も無いから。
すごい大好きだったんだけどな。何故か一気に冷めた。百年の恋もさめるとはこの事?きっかけは何にしろ、私の心に余裕が無かったのだろう。
後日、別れを切り出しさようなら。
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