11人が本棚に入れています
本棚に追加
半年前、面接時に管理職から言われた謎だった問い掛けを思い出す。
今まで、人間関係はどうでしたか?
嫌いな人とかと、どうやって付き合ってきましたか?
一見、これはなかなかなことを聞かれているとは思ったものの、当時の管理職の申し訳なさそうな表情、言葉の温度で、そこまで嫌な印象を受けなかった。
そうですね、少しだけ悩んで、間を置いて、高坂は答えた。
有難いことに、今まで、皆さんに仲良くしていただき、働いてこられた思います。
いろいろなタイプの方たちと、接してきたので、人付き合いは大丈夫だと思います。
だっただろうか。
多少違うかもしれない。
もっと、上手く答えられた。
こういう肝心なことは覚えていないのだ。
即興の割に良い感じの台詞だったのに。
とは言っても、当時の面接資料にメモは残してある筈なのだが。
面接での質疑応答は書き記して、いつかあるかもしれない次回に活かす、これ鉄則。
転職を繰り返すものにとっては、基本だろう。
細かい性分だと言われれば、それまでだが。
「ーーああ、難しい」
生きるのは難しい。
人が羨むようにとまでは思わないが、その発想をちょっとでもしている時点でアウトなのかもしれないが。
まあそれなりの人生を生きていきたいと思ってしまう。
それなりの尺度など、人それぞれ、はかりかたも、また、人それぞれ。
だから、何を基準にするかなんて、無駄に悩み考えたところで、答えなど出る筈もない。
正しさが分からない、生きる上での正しい感覚が分からない。
最初のコメントを投稿しよう!