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プロローグ
声が聞こえる…
目に映る世界は、どこまでも無に染まっていた…
光が無ければ、闇も無く、
生物が無ければ、無機物も有はしなかった…
自分が存在していることさえ、疑ってしまうほど
無に染まってしまったこの世界で、この声だけは、しっかりと、聞こえる。
何処から来ているのか分からないその声は、
私の耳へ、脳へ、中へ、届いていった。
声を聞いた私は、無性にその声について知りたくなった。
これが、好奇心という物なのだろうか…
この声の意味は、理由はなんなのか、
知りたかったから…いや、知らなくてはならなかった、理由は分からないがそんな気がしていた。
無感な私は、進んだ、ただ真っ直ぐに、ひたすら進んだ、この声を知る、ただそれだけの為に、
この無苦で、無垢な、世界を進んで行った。
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