プロローグ

1/1
前へ
/4ページ
次へ

プロローグ

声が聞こえる… 目に映る世界は、どこまでも無に染まっていた… 光が無ければ、闇も無く、 生物()が無ければ、無機物()も有はしなかった… 自分が存在していることさえ、疑ってしまうほど 無に染まってしまったこの世界で、この声だけは、しっかりと、聞こえる。 何処から来ているのか分からないその声は、 私の耳へ、脳へ、中へ、届いていった。 声を聞いた私は、無性にその声について知りたくなった。 これが、好奇心という物なのだろうか… この声の意味は、理由はなんなのか、 知りたかったから…いや、知らなくてはならなかった、理由は分からないがそんな気がしていた。 無感な私は、進んだ、ただ真っ直ぐに、ひたすら進んだ、この声を知る、ただそれだけの為に、 この無苦で、無垢な、世界を進んで行った。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加