宇宙人はサヨナラを言わない

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20XX年、地球外に初めて知的生命体が存在する星───惑星Uが発見された。彼らはとても友好的な気質で、また人間と姿が似ている事もあり、すぐに打ち解けた。 惑星Uは地球より少しだけ文明が発達している、緑豊かな星。地球の技術では到底行くことの出来ないような遠い遠い星だったが、惑星Uの技術力のお陰で星の間を行き来できるようになった。 そうして惑星Uからは毎日のように沢山の人が訪れるようになった。と言っても誰でも来られる訳ではなく、それなりの権利や地位、財力がある人ばかりだが。逆にこちらから惑星Uへ行く人もいて、やがて貿易も盛んに行われるようになった。初めこそ騒がれたが、段々と当たり前になっていった。例えるなら、海外の人と交流する感覚に近い。 セラは惑星Uの高校生だった。大人に紛れ、たった1人でやってきた少女。彼女は留学生として地球にやってきた。 政府の援助を受けて留学するくらいだからきっと優秀な生徒なのだろう。受け入れ先に有名な大学や高校が名乗り出たが、彼女は田舎の公立高校を選んだ。自然が好きだから、と。
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