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それぞれがスープをのみ終えたあと、魚料理が運ばれてきた。
「ギャタピーの香草焼きです。一番美味しい腹の部分の身を焼いて作ってるんでうまいっすよ。そのままナイフとフォークでお召し上がりください」
エドガーが料理の説明をしている間に、それぞれの席に料理が置かれた。
ヨドの顔が曇る。
切り身が二枚、大きな形でドンとヨドの目の前に構えている。
「ヨドさんはお嬢様の命の恩人なんで、大盛りにしたっす。さあ、どうぞ」
にやにやしながら、ヨドにギャタピーを勧めるエドガー。
「これもうまいな」
もっもっと音をたてて、頬一杯にギャタピーを詰め込んで食べているジュドーを尻目に、ヨドはフォークとナイフを手に、固まっていた。
ルクソニアもリーゼンベルクも、しれっとギャタピーを食べている。
「どうしたの、ヨド。お腹でもいたいの?
ギャタピーは香草焼きで食べても、美味しいのよ?」
ルクソニアが心配そうに、ヨドへと声をかける。
「んんっ、ルクソニア嬢、大丈夫だ。
少しばかりあっけにとられたものの、大丈夫だ。食べられるだろう。」
そう言ってヨドは少し強がったあと、ナイフで切り身の端を少しだけ切り取ると、口にいれた。
「ふわふわで弾力のある白身魚と香草の薫りがマッチした、食欲がそそる一品だ。確かにこれは旨いと言える。量が少しばかり多いが食べるのに支障はないだろう」
ヨドの言葉を聞き、ルクソニアは嬉しそうに笑っていった。
「でしょう?
ギャタピーはとっても美味しいのよ!」
「旨い旨い」
ハムスターみたいに頬一杯にギャタピーを詰め込んで食べているジュドーが言った。どうやらギャタピーの味が気に入ったらしい。
あっという間に皿に乗っていた大きめの切り身を、ペロリと平らげている。
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