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一方ヨドは、小さく切っては口にいれ、慎重にギャタピーを食べていた。
「ヨドさん。そんなびびんなくても、頭以外毒性はないっすよ。さっきも言いましたけど、魔獣を先祖がえりさせてるんで、安心して食べてくれて大丈夫っす」
ルクソニアがキョトンとした顔で聞いた。
「先祖がえりってなに?」
こてんと首を傾けるルクソニア。
「えーとですね。ギャタピーは元々、水辺にすむ毒性の強い魔獣オーリンを品種改良した結果、先祖帰りさせてしまった、限りなく魚に近い魔獣っす」
「マジかよ、これ、もとはオーリンだったのかよ!?」
と、ジュドーが白目を向いているのを見て、ルクソニアが聞いた。
「元の魔獣になったオーリンって、そんなに驚く魔獣なの?」
「白くてうにょうにょしている、気持ち悪い動きの魔獣だ。表皮に猛毒があってぬるぬるしていて討伐がしにくい魔獣でもある。
そうか……これ、オーリンなのか……」
ジュドーのテンションが一気に下がる。
「そんなに気持ち悪い魔獣なの?」
「気持ち悪い動きの魔獣だ。とても食いたいとは思えねぇ、な」
ジュドーが口に手を当て、真っ青な顔をして言う。
それを見たルクソニアの手が止まった。
「なんだかそれを聞くと、私も食欲がなくなってきたわ」
そばにあった水をこくこく飲むルクソニア。
「お嬢様、正確にはギャタピーはオーリンではないっすよ。
遺伝子操作でオーリンの元となった、うなぎとハモを掛け合わせた魚に近い魔獣がギャタピーっす」
ルクソニアは頭に?マークを浮かべて、目をぱちぱちさせながら聞いた。
「どういうこと?」
それに続いてジュドーも聞いた。
「俺もよくわからないな、説明してほしいぞ、エドガー殿」
エドガーは眼鏡を逆光で光らせながら、ふたりに説明を始めた。
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