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「そもそも魔獣って言うのは、元々、自然発生した生き物ではないんすよ。
この国の人間が、人工的に魔法を使えるシステムを作ろうとして出来た、副産物なんす。
根本的な話になるっすけど、魔法って言うのは精霊と契約してはじめて使えるようになる力っす。
なもんで、異世界転生者である人間以外、精霊が見えずコミニュケーションがとれないんで、精霊と契約ができず、この世界の住人は魔法が使えなかったんすよ」
そこへジュドーが得意気に割り込んだ。
「その話なら知ってるぜ。
精霊の気まぐれで、異世界転生者の子孫も辛うじて魔法は使えるが、それでも出力としては異世界転生者の方が上になる。
それを解消すべく、魔獣と獣人が誕生したんだよな?」
「そうっす。
精霊の魔力を宝石に込めて魔石にし、それを体内に取り込ませることで人工的に魔法が使える人間を作れるんじゃないかって事で、昔大々的にこの国で実験が行われてたんす。
しかし、そのまま人間の体内に魔石を埋め込むと体が耐えられなかったんで、体を丈夫にさせるべく遺伝子操作をして身体強化しなければいけなかった。そうして作られたのが魔獣や獣人なんす。
なので、魔獣や獣人の祖先は人工的に遺伝子操作されて作られた生き物になるっすよ。
ギャタピーは魔獣の状態から、ギリギリまで魔獣の毒性を抜いた結果、先祖帰りしちゃったやつなんで、辛うじてギリギリ魔獣の分類に入ってるだけの存在っす。
なんで、安心して食べてもらっていいっすよ」
そう言ってにっこり笑う、エドガー。
ジュドーが青い顔をしてエドガーに聞いた。
「ほんっとうに大丈夫なんだな?」
「オーリンとは似て非なる魔獣っすから大丈夫っすよ」
「信じるからな、ほんっとうに信じるからな……!」
言いながら、水をごくごく飲むジュドー。
それを聞いたルクソニアが、むくれながらジュドーに言った。
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