186人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺んちにもその絵本があったが、青の妃が処刑されてからは暖炉にくべられて燃やされたなあ、そういえば。今思えば獣人のイメージアップのために国が作らせた絵本だったんじゃねぇかって思うんだが、エドガーどのはどう思う?」
と、ジュドーが言った。
「ジュドー様のいうとおり、イメージ戦略で作った絵本であってると思いますよ、発行年月が丁度、青の妃の婚礼の日になってるっすから」
ルクソニアがふくれて言った。
「もう、二人ともロマンがないわね!」
「当時はそれだけセンセーショナルな出来事だったってことっすよ、お嬢様」
「まあ確かに獣人と人の婚礼は珍しい時勢だったからなあ」
と、エドガーに同意するジュドー。
「そんなに珍しい結婚だったの?」
「そんなに珍しい結婚だったんすよ。
当時獣人は、今みたいに奴隷としてではなく魔獣と同じカテゴリーに分類されていた種族だったんで、そもそもが結婚する対象じゃなかったんすよ。
だから青の妃が嫁ぐ際にも、白い綺麗な羽根が背中に生えていたんすけど、結婚を期に切り落としたって聞いたっす」
ルクソニアが泣きそうな顔でエドガーに聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!